マンション管理士 = 毎野 =

「マンションは管理で買え」と言われても…

投稿日時 2007-3-1 18:00:00
執筆者 ymaino

 もうすぐ結婚する姪が発した言葉です。中古マンションを買うときは管理状況を見て買いなさいということになろうかと思いますが、では管理状況の良し悪しは何から判断すれば良いのか姪にとってはちんぷんかんぷんの様子。まもなく大規模修繕工事が行われるようなマンションを購入する場合、修繕積立金が不足して工事実施後に一時金数十万円の負担を強いられるかもしれないとなると、購入前から不安な気分になりますね。

 一般に購入希望者が個々のマンションの管理状況を知ろうにも、契約前に宅建業法第35条6号の規定された事項、いわゆる重要事項説明書のなかで、「計画修繕積立金等に関する事項」や「建物の維持修繕の実施状況の記録」などの説明を受けるか、管理規約や決算書などを閲覧するくらいしか確認できる手段はないでしょう。初めての購入者には、説明を聞いても閲覧しても、それらの情報をどのように評価したらよいのかよく分からないのが普通ではないかと思います。

 マンションの管理の適正化に関する指針(国土交通省平成13年8月1日)には、「マンションの管理の主体は、マンションの区分所有者等で構成される管理組合である」と明記され、また「マンションを購入しようとする者は、マンションの管理の重要性を十分認識し、売買契約だけでなく、管理規約、使用細則、管理委託契約、長期修繕計画等管理に関する事項に十分に留意する必要がある。」とも述べられています。良好なマンション管理は管理組合がすることなのです。管理を委託する管理会社の業務にはそこまで含まれていません。マンション購入の際はしっかりとマンションを維持管理している管理組合を選択しなさいということになります。

 初めてのマンション購入者へ、購入前の重要ポイントをいくつかアドバイス、参考にしてください。
[中古マンション購入の場合]
・大規模修繕工事(概ね10年(+α)ごと)が迫っている場合。1戸当たりの修繕積立金が100万円程度積み立てられているかどうか。大きく下回っている場合は、一時金負担の覚悟をしておく必要があります。
・ペット飼育について。規約にペット飼育(犬・猫)の可否がはっきり謳われているかどうか。曖昧規約の場合はペットトラブルも多いという公的機関によるアンケート調査もあります。飼育禁止なのか、条件付きで飼育可なのかなど。使用細則で規定されている場合は議論があるので、細則が総会において区分所有者及び出席者の3/4以上の賛成で承認されていることが望ましい。
・機械式駐車場が設置されている場合。駐車場収入が独立した駐車場会計で区分経理されているか、すべて積立金会計へ繰入れ、且つ駐車場名目で積み立てられていれば、まず問題はありません。国土交通省の調査に依りますと、311マンション中、10%に過ぎませんが(H16年マンションの維持管理状況に関する調査)。
 管理費会計にも充当されている場合、修繕積立金会計への繰入額が概ね1万円で、且つ駐車場名目で積み立てられていれば、ほぼ問題はないでしょう。
 これ以外の経理処理が現状では多数です。総じて管理費は安く当面の負担は少なくて助かるわけですが、将来(分譲後25〜30年後)問題となる可能性が少なからずあります。駐車場装置の取替えのための積立金が不足して、将来一時金を負担しないといけなくなるかもしれません。終の棲家と考えない人には無縁かもしれませんが…。
・平成16年7月より(財)マンション管理センターが運営する「みらいネット」というマンション履歴システムが公開されています。登録マンションについては、これを閲覧すれば駐車場収入の経理処理のみならず、かなり詳細に管理状況を知ることができます。登録するマンションは現在330組合、どちらかと言えば管理に自信がある優良グループで、およそ10万棟あるマンションのごく一部に留まっています。今後登録マンションが増えていけば、中古マンションを購入する前に、該当マンションの管理状況を詳細に比較検討することが可能になります。
 もちろん登録のための啓発が重要ですが、特殊建物調査の報告義務のような制度になってくれば、登録も促進されるでしょう。

[新築マンション購入の場合]
・1回目の大規模修繕工事までは、例外はあるかもしれませんが、一般には大丈夫でしょう。ただし、分譲後に管理組合が主体となって見直しを進めていく必要があるでしょう。




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