マンション管理士は、マンション管理の諸問題に対して管理組合の立場に立って、解決を支援する専門家です!業務地域◇阪神地区:西宮市,宝塚市,芦屋市,神戸市,伊丹市,尼崎市,三田市,川西市ほか隣接地域

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マンション管理士 MAINO 諸外国と日本におけるマンション管理制度の比較

諸外国と日本におけるマンション管理制度の比較

諸外国(ドイツ、フランス、米国)と日本におけるマンション管理の制度を比較しています。
今後の日本におけるマンション管理制度の方向性を推考する上での参考になると思います。

諸外国と日本におけるマンション管理制度の概要

 ドイツでは、区分所有者が集まった「共同体」(ゲマインシャフト)はありますが、日本で言う管理組合や理事会、理事長は存在しません。共同体の機関は「総会」と「管理者(フェルバルター)」で、総会で選任された管理者(多くは専門家)が、総会での決定を執行していくという形態のようです。ドイツ住居所有権法では、管理者とされる者は住居所有権者の代表というのではなく、管理のプロがイメージされています。従って、一時的には住居所有権者の意思に反しても長期的に住居所有権者の利益になると判断したことはやらねばならず、そういう固有の権限を管理者は有しています。

 フランスでは、日本と同様に管理組合が存在し、組合の機関として「総会」及び「管理者(サンディック)」を有していますが、いわゆる理事会のような組合の業務を執行すべき常設の会議機関はありません。「組合委員会」を設けることもできますが、これは管理者(管理業者が多い)を補佐し、かつ管理者を監督するためで、設置に義務はありません。フランスの管理組織は日本に比べ、簡素で団体性は弱いが、管理者の権限が広く、明確となっており、管理者中心の管理体制が確立しているようです。

 アメリカでは、日本と同様、区分所有者全員を構成員とする「管理組合」が存在し、区分所有者から選任された理事によって構成される「理事会」が共同管理を行う執行機関となっています。ハウスルール等の日本で言う使用細則の制定改廃は理事会で行えるようですが、重要な意思決定が「総会」で決められる点は同じです。州により施策は異なりますが、コンドミニアムに対する行政機関の関与は日本に比べ高いようです(ハワイ州は特に)。
 アメリカの管理組合は、日本に比べ広範囲な活動を行い、また機能を有しているようです。ニュージャージー州の戸建てを含む管理組合の場合、公益サービスの提供や土地利用のコントロール、課税の権限と義務をもつ準自治体的な機能を持ち、住民が直接参加する組織となっています。このような管理組合が定着した背景には、住宅に豊かな共用スペースや共有のコミュニティ施設があり、それを共同で管理する必要があること。アメリカの住宅の評価は土地によっておおむね決まるのではなく、住宅地の住環境や住宅の維持管理の状態によって決まり、そのためには、管理組合のような組織が必要であることを居住者自身が理解していることなどがあるようです。一方で、コミュニティへの参加を負担と思い、総会への出席率も高くないというシカゴ州の調査もあるようですので、立て前と本音は違っても、アメリカ人は実際に行動するタイプなのかもしれません。

 日本でのマンション法(区分所有法)の制定・改正の変遷はこちらのページを参考にしてください。昭和37年にドイツとかフランスに由来する管理制度(いわゆる管理者型)が導入され、区分所有法(昭和37年4月)が民法の特別法として制定されました。その後昭和58年にアメリカに由来する管理組合制度が導入され、管理組合が意思決定機関、理事会が執行機関として位置づけられました。この改正によって、全員一致原理から広範な多数決原理が採用されて、いわゆる団体的な拘束が強化され、今日まで定着してきました。本来は、この団体的要素というのは管理に関してのみで、所有権に関しては及ばないと解されています。しかし、2002年12月成立の改正区分所有法では、建替えの規定に関して、所有権へも団体的な拘束が及ぶことになるとされ、画期的で注目すべき改正となりました(改正区分所有法の解説はこちら)。

 日本において、法的に管理者として選任される者は区分所有者である必要はありませんが、ほとんどのマンションでは、区分所有者から選ばれた理事の中から選任され、一般に理事長と呼ばれています(法人化した管理組合では、理事が管理組合を代表し、管理者は置かれません)。日本の管理者には、ドイツやフランスの管理者に要求されるような専門的能力や資質は問われませんが、区分所有法や規約で定められた権利義務があるほか、民法644条の委任規定による善良な管理者としての注意義務をもって執行業務に当たらなければなりませんので、ことのほか管理者の責任は重いといえます。一方で、日常の管理事務は管理会社に委任する場合が多いでしょうから、ややもすると理事会を構成する役員も無関心・無責任に陥りやすいものです。マンションの管理の主体は管理組合ですので、管理組合が自立的な運営を進めていかないと、契約の範囲内で管理する管理会社任せだけでは必要な時機に合意形成がうまくいかない等、マンションの維持管理が適切に行われないおそれがあります。そこで、平成12年12月に「マンション」が初めて法で規定されマンション管理適正化法)、マンション管理を適正に行っていく上で区分所有者や管理組合の努力義務が国土交通省から告示されました(平成13年8月1日:マンションの管理の適正化に関する指針)。これに伴い、標準委託契約書が平成15年4月9日、マンション標準管理規約の改正が平成16年1月23日に改正されています。

 アメリカでは、管理組合は必要に応じて外部の専門家を利用できます。また会計士による会計監査が義務づけられています。日本においても、こういった専門家の活用は、マンション管理の適正な管理運営に有効な方法だと思いますが、今まで(平成12年適正化法施行以前)こういった専門家の利用を前提にした管理制度は想定されていなかったようで、支援体制がまだ十分機能しているとはいえないこと、管理組合が支援サービスに対する対価の支払いに慣れていないことなど、新しい変化への適応にはまだしばらく時間がかかるように思います。

ドイツ及びフランスと日本におけるマンション管理制度の比較表

  日 本 ドイツ フランス
維持管理の主体 管理組合 管理者(フェルバルター) 管理者(サンディック)
管理組織
  1. 総会
  2. 理事長=管理者
    (設置義務なし)
  3. 理事会
  1. 住居所有権者共同総会
  2. 管理者(設置義務あり)
  3. 管理委員会(任意設置)
  1. 総会
  2. 管理者(設置義務あり)
  3. 組合委員会(任意設置)
意思決定機関と 執行機関
  1. 意思決定◇総会
  2. 執行◇理事会
  1. 意思決定◇所有権者共同総会
  2. 執行◇管理者
  1. 意思決定◇総会
  2. 執行◇管理者
管理者像 理事長=管理の素人でも可 管理の専門家 管理の専門家
管理者の資質 特に問われません。
  1. 建築技術者ではないが、建築や修繕の知識を持ち、会計や関連法規にも明るいという人材。
  2. 但し、管理者の資格制度はなく、管理者の質はまちまちのようです。
  1. 法科系出身、管理学専攻した人が多い。
  2. 管理者としての免許が必要。
    (毎年、知事から交付される)
    職業適性、相当の保証金、賠償保険加入、欠格事由の不存在の4つの要件を満たす必要有。
  3. 区分所有者以外の第三者、多くは不動産管理業者
管理者の職務
  1. 管理規約、総会もしくは理事会の決議により理事長の職務と定められた事項を執行します。
  2. 具体的な管理は、管理会社との委任契約によって行われます。
  3. 管理会社は契約で決まったことだけの履行にとどまり、管理が十分行われないおそれもあります。
  4. 管理者としての理事長は管理の全責任が問われます。
日本の管理者と異なり、管理会社が行う管理業務も管理者が概ね行います。
  1. 出納業務、年間予算の作成及び執行、修繕工事の実施、管理人を雇っての日常の管理員業務の遂行、総会の招集及び議長としての議事進行など。
  2. 日常的に居住秩序を保ち、望ましい管理状態を維持することも大切な業務とされています。
日本の管理者と異なり、管理会社が管理者となり、管理業務を行っているような形態です。
  1. 総会決議の執行、規約遵守の確保、不動産の保守・管理運営、経理、裁判上のすべての行為について区分所有者を代理、修繕工事の予算案の作成、家主会議(総会)の開催など。
  2. 管理人(コンシェルジュ)という職業は雇用料の高さ故、消えつつあり、管理人(サンディック)が管理員業(日常的な苦情処理)を兼ねている場合も多いようです。
管理者の任期
  1. 理事長として、1年〜2年任期が一般的。
  2. 多くが輪番制のもとでは、管理者の地位は必ずしも高いとはいえません。
  1. 5年を限度としています。新たな決議があれば、再任も可能。
  2. 管理者に重大な事由がなければ解任することができないとして、管理者の地位の安定化が図られています。
  1. 3年を超えない範囲で定められますが、更新を妨げないとされています。
  2. 管理組合が管理者をよく変えるようで、管理組合の顔色をうかがうようなところがあるようです。
管理者の権限 総会や理事会の意思決定を受けての業務の執行にとどまります。 場合によっては管理のプロとして、長期的な住民所有者の利益を考え、管理者権限で維持修繕に必要な措置をとることが法で求められています。 一定の法的権限を与えられ、住民から独立した立場で、マンションの管理運営にあたっています。
業務の監査・監視 一般に、管理規約で「監事」をおくよう定められています。
  1. 監事は、ヾ浜組合の財産状況及び業務の執行状況を監査し、不正があると認めるときは、臨時集会を招集でき、 M事会に出席して意見を述べることができるとされています。
  2. 非常に重要な役割を担っています。理事会運営が民主的で公正に行われるよう、不正をチェックする機能が理事会に組み込まれていますが、一般に監事も組合員から選出されますので、同じ住民同士でもめたくないという思いで、現状では十分なチェック機能が働かない場合もあるのではないかと思います。
     (区分所有法30条1項区分所有法50条標準管理規約41条
管理委員会を設置できるとされています。設置義務はありませんが、多くのところで設置されているようです。
  1. 管理委員会の役割は、執行者としての管理者の監視です。
  2. 住居所有権者3名で設置できるとされています。
  3. 管理者を援助し、決議前に予算、年度決算、計算規則、費用の見積の審査をし、意見を述べることができます。
  4. しかし、管理委員会には決定権はないとされています。
組合委員会という機関を、規約または総会の決議によって設けることができます。
  1. 組合委員会の役割は、管理者を補佐し、その管理を監督することにあります。
  2. その設置に義務はありません。
管理者への援助 理事を構成員とした理事会が相当します。
  1. 管理規約で理事会の事項と定められた事項を審議・決定します。
  2. 理事会の承認ないし管理規約に定めることにより、他の理事に特定の業務を担当させることができます。
上記、管理委員会が相当します。
  1. 管理者を援助しますが、住居所有権者と管理者との橋渡し役で、日本の理事会のような決定権はなく、性格を異にしています。
上記、組合委員会が補佐します。
  1. 管理者と区分所有者との間の調整をする機能を期待されていますが、組合委員会へのなり手が少ない等の問題があるようです。
  2. 紛争の原因として、区分所有者が法律、規則等に精通していない、利己的行動をとる等があげられています。
問題点
  1. 適正な建物管理の核である管理者資質を毎年いかに確保していくか、また管理者の執行行為への監査監督をいかに適正に機能させるかが問題。
  2. フランスや米国同様、委任状を除いた総会への出席率は高いといえない。合意形成の際、支障をきたすおそれもある。
  1. 管理者の能力、専門的知識に依存しており、団地のような場合に、棟毎に管理者を置き個別の集会を開けるかが問題となっているようです。
  2. 管理を管理者に委ねているためか、所有者の管理の意識が低いようです。
  1. 総会への出席率が極めて低い(1割程度)ようです。
    日本でも委任状を除き実際の出席者率でこのようなところもあるように思われますが、どこも同じ悩みを抱えている?
  2. 管理費の滞納が発生し、建物の保全に支障が生じている例があるようです。
マンションの根拠法 ・区分所有法
・マンション管理適正化法
・住居所有権法 ・区分所有法

米国と日本におけるマンション管理制度の比較表

  日 本 米 国(主にハワイ州)
維持管理の主体 管理組合(棟または団地の共用部分を管理する団体) 管理組合(共用部分に限らず、住宅地全体、地域の住環境を管理する主体としても機能)
管理組織 総会、理事会、理事長(管理者) 総会、理事会、理事長
意思決定機関と
執行機関
  1. 意思決定◇総会
  2. 執   行◇理事会
  1. 意思決定◇総会
  2. 執   行◇理事会
ローカルルール
  1. 管理規約
  2. 使用細則
  1. 管理規約(Bylaws)
  2. ハウスルール(House rules)
行政機関への登録義務 特にありません。
  1. [分譲業者]
    ・ パブリックレポート(建築物概要書)の届出。
  2. [分譲業者]
    ・宣言証書、管理規約、設計図書の登録義務。
  3. [管理組合]
    6戸以上の管理組合は、2年ごとに、以下の情報について登録更新しなければならない(有料)。
    ・管理組合の基本情報
    ・管理費、修繕積立金の積み立て状況
    ・会計検査結果等
外部からの管理組合への援助
・維持管理の相談
・トラブル解決
・情報収集など
事案によって
  1. 管理会社、(財)マンション管理センター
  2. マンション管理士(今後期待される)
  3. 弁護士、建築士、会計士、司法書士など
    (実情、利用が難しい)
適正化指針では、必要に応じて外部の専門家の活用が謳われています。
事案によって
  1. 管理会社、弁護士、会計士
  2. 全米管理組合協会による認定資格者
    (PCAM ,AMS ,CMCA)
  3. 不動産管理業協会(I.R.E.M.)による資格認定
    (実際にはあまり普及していないようです)
    ・公認不動産管理士(C.P.M.)
    ・公認集合住宅管理士(A.R.M.)
    ・公認不動産管理会社(A.M.O.)
などの外部の専門家を利用しています
会計監査
  1. 一般に、監事が会計監査を行っています。
    (内部監査に留まる)
  2. 会計士による会計監査の義務はありません。
  1. 公認会計士による会計監査が義務づけられています。(外部監査)
紛争処理のための機関
  1. 裁判所への提訴
  1. 州不動産委員会による調停
  2. 民間紛争処理会社への調停依頼
  3. 裁判所への提訴
修繕積立金の積立基準
  1. 法による基準は特に定められていません。
  2. 「公庫マンション情報登録制度」や「東京都優良マンション登録表示制度」では、経年数に応じて定められた、1戸あたり平均月額が認定基準とされています。
  1. 計画調査書に基づき、将来の推計工事費の50%を積み立てなければなりません(ハワイ州)。
  2. 分譲会社は、建築前に長期修繕計画表を付け、管理費と修繕積立金を算出し、不動産局の許可を得る必要があります(カリフォルニア州)
理事会、理事長の権限
  1. 総会や理事会の意思決定を受けての業務の執行にとどまります。
  2. 管理規約の制定改廃は総会の特別決議事項
    区分所有法31条標準管理規約47条3項
  3. 具体的なルールを定める使用細則の制定改廃の機関の法的定めはありませんが、標準管理規約では、総会の普通決議を要するとしています(標準管理規約18条、48条4号)。
  4. 専有部分の使用は本来自由ですが(民法206条)、区分所有者の共同の利益に反する行為はできません(区分所有法6条1項)。
    専有部分の使用制限については、「建物等の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項」として、規約で定める必要があります
    区分所有法30条1項) 。「建物」には、一棟のマンションの全体を指し、共用部分のみならず、専有部分も含まれます。
    ・専有部分の模様替え等の工事の制限または実施方法に関すること
    ・ペット飼育の用途制限に関することなど
  5. 専有部分の使用制限に関する制定改廃に関し、管理規約には総会の特別決議、同使用細則には総会の普通決議が必要となり、理事会や管理者(理事長)にその設定改廃権限はありません。
  6. 共同の利益に反する行為の差し止め、禁止、競売請求に関し、訴訟を行うには集会決議を要します。非法人の場合、集会決議により管理者または指定された区分所有者が訴えを提起できます。
  1. ハウスルール(日本でいう、専有部分に関する使用細則)の設定改廃の権限を理事会・管理者がもっています。
  2. ハウスルールの違反行為に対しては組合理事会が訴訟を行う権限および罰金を課す権限をもっています。
問題点
  1. 実際の総会出席率は高くない。無関心・無責任なサイレントマジョリティの組合員に対して、マンションの適正な維持管理の必要性をいかに啓蒙していくか。
  2. 管理者のなり手が少ない中で、適正な建物管理の核である管理者資質を毎年いかに確保していくか、また管理者の執行行為への監査監督をいかに適正に機能させるか。
  3. 修繕積立金が不足している管理組合への早急な対応。
  1. 総会出席率は高いとはいえない (15%〜25%)
  2. コミュニティ参加は負担とされている。
  3. 役員のなり手がなく、交替も多い。
  4. 一般的には無報酬。
  5. 修繕積立金に対する意識は高いとはいえない。
(※この欄はシカゴでの調査)
マンションの根拠法 ・区分所有法
・マンション管理適正化法
・Condominium Property Regimes(ハワイ修正法514A章)
・Horizontal Property Regimes (ハワイ修正法107章)

<参考文献>
・マンション管理法入門(山畑哲世著)
・マンションは生き残れるか-ドイツと日本のマンション法-(丸山英気千葉大学教授執筆部分)
・諸外国の管理制度について(稲本洋之助執筆部分)
・フランスの区分所有法(吉田克己著)
・ドイツ及びフランスにおけるマンション管理業の実態調査について(前建設省住宅局民間住宅課 太田秀也著)
・米国のマンション維持管理制度の特徴と我が国の比較(マンション管理センター)
・諸外国におけるコンドミニアムのハウスルールに関する調査(高層住宅管理業協会)
・建設物価1987年7月(シカゴ調査、藤本圭子金蘭短大教授執筆部分)
・平成11年度マンション総合調査結果(マンション管理センター)
・入門マンション管理(齊藤広子明海大学助教授著)
・マンション管理実務読本(日本マンション学会関西支部編)

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