マンション管理士は、マンション管理の諸問題に対して管理組合の立場に立って、解決を支援する専門家です!業務地域◇阪神地区:西宮市,宝塚市,芦屋市,神戸市,伊丹市,尼崎市,三田市,川西市ほか隣接地域

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マンション管理士 MAINO 滞納問題への対処

管理費等の滞納問題への対処について

このページでは、管理費等の滞納対策について解説していきたいと思います。
参照判例については、順次アップしていきたいと思います。

管理費等の滞納とマンション管理

 マンションを適正に維持していくために、共用部分の管理に要する費用(管理費や修繕積立金など)は、区分所有者が原則として専有部分の床面積の割合によって負担するものとされています(区分所有法19条14条21条)。
 管理費等の請求権者は管理組合であり、その支払義務者は区分所有者であるということです。滞納が生じたとき、管理を管理会社に委託している場合、管理会社は通常の書面、電話、自宅訪問、内容証明郵便の送付といった順で未収金管理業務を行っているはずです。ただ、管理委託の場合、未収金(滞納金)管理業務は契約の範囲(多くは内容証明郵便の送付)で履行されるに留まります。この手順を踏んでもなお支払われない場合には、法的措置を検討することになります。以後は管理組合が主体となって法的手続きを行うか、または管理会社と追加契約を交わして、この手続きを委託するかになります。
 経済情勢が厳しい中、経済的理由による滞納者も増えています。また管理組合や管理会社に対する不満から払わない場合など様々な理由があるため、一律に直ちに法的措置をとるのではなく、その原因をよく調べて、相手と意思の疎通を図り、できるなら法的措置に至るまでに解決策を見いだしたいものです。それでも解決しない悪質な場合は、以下で述べます法的措置を考えざるを得ません。管理組合が請求権者とはいえ、同じく居住する滞納者への対応には気が重い側面があり管理会社任せになりがちですが、任せっきりでは滞納対策の実効が上がらないことを認識しておく必要があるでしょう。

法的措置について

1.少額訴訟と支払督促の比較

  少額訴訟 支払督促
制度の説明
  1. 60万円(平成16年4月1日改正法施行)以下の金銭支払に関する訴訟が対象。
  2. 審理は1回で即日判決
    少額訴訟の場合は原則として1回の審理で双方の口頭弁論を行います。和解できるものには和解の勧告をします。和解できなければその日のうちに判決が下され、非常に迅速です(申立から4〜6週間程度)。
  3. 証拠・証人は簡易なものに限定
    少額訴訟の場合、証拠となる書類や証人は、原則として審理の日にその場で確認できるような簡易なものに限定されます。
  4. 支払猶予や分割払いの判決も可能です。
  5. 判決に対する不服申立は異議申し立てに限定され、控訴はできません。
  6. 同一裁判所に対する申立は、1年に10回までに制限されています。
  7. 相手が正当な理由なく審理を欠席したら原告の不戦勝になります
  1. 申立人の申し立てだけに基づいて、簡易裁判所書記官が債務者の言い分を調べることをしないで、債務の支払いを命ずる制度。
  2. 相手方が異議を申し立てると通常訴訟に手続きが移行する。
  3. 少額訴訟のような請求金額に制限はありません。
メリット
  1. 訴状は定型の用紙に記入するだけで簡単に作成できますので、弁護士や司法書士に頼む必要がなく、管理組合ででできます。
  2. すべての手続が1日で終わりますので、通常訴訟のように何度も裁判所へ通う必要はありません。また、勝訴判決には必ず仮執行宣言が付くのですぐに強制執行が可能です。
  3. 訴訟費用が安い(印紙代500円〜3000円+切手代)。また、自分で手続すれば弁護士費用もかかりません。
    <少額訴訟の印紙代> ※5万円毎に500円
     ・〜 5万円→ 500円
     ・〜10万円→1,000円
     ・〜15万円→1,500円 
     ・〜20万円→2,000円 ・40万円→4,000円
     ・〜25万円→2,500円 ・50万円→5,000円
     ・〜30万円→3,000円 ・60万円→6,000円
  4. 管理組合の所在地を管轄裁判所とすることができます。

  1. 申立方法が簡単で、少ない費用ででます。(通常訴訟の半額の印紙代と郵送費の切手代)
     <支払督促の印紙代> ※平成16年1月1日改正
     ・50万 →2,500円
      ・100万→5,000円
      ・200万→7,500円
  2. 書面審査だけで裁判所から債務者に対して支払督促を送ってもらえ、申立人が裁判所に出頭しなくて済みます。
  3. 相手方が支払督促に応じなければ仮執行宣言を付けてもらい強制執行の手続きをとることができます。
  4. 債務者からの異議がなければ早くて1ヶ月余で強制執行手続ができるようになります。
デメリット
  1. 被告が通常の民事訴訟に移行するよう求めた場合は通常訴訟に移行します。
    また、裁判所の職権で通常訴訟へ移行することがあります。
    ・訴額や回数が少額訴訟の要件を満たしていないとき
    ・定められた相当期間内に利用回数を届け出ないとき
    ・相手の所在がわからないとき
    ・ 少額訴訟になじまない、1日だけの審理では終了しな
      いような複雑な事案。
  2. 判決に不服でもその上の裁判所(地方裁判所)に控訴はできません。(当該判決を下した簡易裁判所への異議申立ては認められます)
  3. かかった経費を負けた側に請求することはできません。
  4. 相手方に支払能力がないと判断される場合には向いていません。
  5. 公示送達はできないので、債務者が住所不明の場合にはこの制度は利用できません。
  6. 申し立て時点での債権に限られます。
  1. 債務者が異議を申立てた場合には通常訴訟(裁判)へ移行しますので、債務者の住所地で裁判が行われることになり、そこまで行く必要がでてきます。
    (債務者が遠隔地の場合、面倒となる)
  2. 債務者(相手方)の住所を管轄する簡易裁判所に申立てする必要があります。(申立ては郵送でも可)
  3. 公示送達はできないので、債務者が住所不明の場合にはこの制度は利用できません。
  4. 申し立て時点での債権に限られます。
ポイント 少額訴訟に適しているのは、複雑でなく、争点の少ない事件です。 被告の紛争解決への協力がポイントとなるようです。
  1. 即日取調べ可能な証拠書類や証人が揃っていて、債権者である原告の主張を明確に証明できる。
  2. 鑑定や現場検証などの必要のないもの。
  3. 債務者である被告がおおむね事実を認めている等。

支払督促は、債務者との間で、債務の存在や金額に争いがなく、異議を申し立てる可能性が低い場合、債務者がマンションに居住するか、その近隣に居住している場合に適しています。

仮に通常訴訟へ移行しても、裁判所で和解を勧告されることが多いようで、支払条件が変わることがあっても、何もしないより債権の回収は進みます。ただし通常訴訟に移行すれば、きちっとした準備書面を用意して、裁判所に出頭しなければなりません。

2.通常訴訟

  1. 少額訴訟」や「支払督促」に向いていない事案は「通常訴訟」を提起することになります。また、相手方から異議の申立てがあった場合、裁判所の職権による場合も通常訴訟に移行します。債務者が異議申立てをする可能性がある場合は、支払督促や小額訴訟による手続きを利用するよりも、最初から裁判所に「通常訴訟」で臨んだほうが、結果として迅速な処理が期待できる場合もあります。申し立て手数料自体は、それほど費用はかかりませんが、 弁護士費用はそれ相当かかりますので、「通常訴訟」が妥当である事案かどうか、よく検討する必要があろうかと思います。
     
  2. 少額訴訟」や「支払督促」が申し立て時点での債権に限られるのに対し、「通常訴訟」では、支払期限が未到来の管理費等についても履行期に確実に支払うよう求める「将来の給付の訴え」を提起することも可能です。
     
  3. 通常訴訟」を提起する場合、一般に弁護士に依頼されると思いますが、その場合、弁護士のと打合せ、区分所有者への状況報告を適宜広報していくことが望ましいでしょう。また、 通常訴訟では、弁護士費用(着手金、報酬など)など相当の費用がかかりますので、予備費等からの支出であっても、少なくとも理事会での承認は取り付けておいたほうがよいでしょう。
     
  4. 請求額が140万円以下の場合には簡易裁判所、140万円を越える場合には地方裁判所で管理組合の所在地を管轄裁判所とすることができます(平成16年4月改正法施行)。訴状には、申立手数料(訴額に応じた印紙)と郵便切手を予納します。
    <通常訴訟の印紙代> ※平成16年1月1日改正
     ・ 50万→5,000円
     ・100万→10,000円
     ・200万→15,000円
     
  5. 通常訴訟を提起しても、裁判所で和解を勧告されることがあります。支払条件が変わることがあっても、債権の回収は進みますが、費用対実効性を考慮する必要があろうかと思います。和解が成立しない場合は、確定判決等で債務名義を得て、債務者の財産を差し押さえるという強制執行となります。

3.その他の法的措置

  1. 先取特権区分所有法7条
    債務者のマンション(不動産)又は家財等(動産)から、他の債権者に優先して弁済を受けられる制度です。
    (1)動産の競売では、差し押さえを承諾することを証する文書を提出しなければなりませんが、債務者から承諾がとれる可能性はまず内ので、動産に対する先取特権は実効性が乏しいと思われます。
    (2)抵当権が不動産の価値限度まで設定されている場合、先取特権は抵当権より弱い(劣後する)ので、弁済の実効性は乏しいと思われます。
     
  2.  
  3. 民事調停
    民事調停は、裁判所の調停委員会の仲介によって、債務者である相手方との話し合いによりトラブルを解決する手続きです。
    債務者である相手方は、調停に出席する義務はないので、相手方が協力的な場合でなければ調停は不調に終わります。また債権者側にも譲歩する用意が必要となる場合もあります。
     
  4. 配当請求
    債務者の不動産が競売された場合、区分所有法第7条の先取特権者として地方裁判所に対し、判決を得ていなくても配当要求を行うことができる制度です。差押債権者以外の債権者が強制執行手続きに参加してその債権の一部を配当として受けとる方法です。
    上申書の提出だけでは時効は中断せず進行します。配当請求では、配当は期待薄でも、配当請求により時効を中断できるという効用はあります。
     
  5. 上申書(裁判所から、調査が入ったとき、管理会社への滞納額の問い合わせがあったときの対応)
    裁判所に上申する書面。競売にあたって裁判所が作成する書類に、滞納管理費等があり、それは買受人(競落人)が負担するものであることを記載するよう注意を喚起し、職権の発動を促す意味があります。上申書の提出だけでは時効を中断する効果がないことを認識しておく必要があります。
     
  6. 区分所有権の競売請求区分所有法59条
    他に方法がないときに限られますので、先取特権の行使、債務名義による強制執行を経なければ認められないようです。制度としてはありますが、最後の最後と考えておいたほうがよいかと思います。

4.管理費等の支払請求権の消滅時効

  1. 時効期間
    債権の権利行使をしない状態が長く続くと、その債権は時効により消滅します。

    5年説[定期給付債権]:民法169条では、定期給付債権(毎年或いは毎月幾ら払うと決めている債権=地代・賃借料)についての時効は5年と定めている。マンションの管理費等もこの定期給付債権と同じ性格であると解釈する立場からは、時効は5年となります。(最高裁平成5年9月10日判決、最高裁平成16年4月23日判決

    10年説[一般債権]:民法167条では、一般債権の時効を10年と定めており、マンションの管理費等を通常の貸金返還請求権などと同様の性格であると解する立場からは、時効は10年となります。(東京高裁平成13年10月31日判決…平成16年4月23日最高裁はこの解釈を否定)
     
  2. 時効の中断(民法147条〜)
    時効の中断には次の方法があります。時効が中断されると、過去の時効期間は無意味となり、中断事由の終了とともに、改めて時効が進行します(民法157条)。
    (1)請求
      裁判上の請求方法として
       ・訴訟提起 ・支払催促の申し立て ・調停 ・和解のための呼出、任意出頭 ・破産手続き参加 ・競売における配当請求
      裁判外の請求方法として
       ・内容証明による催告…ただし、6ヶ月以内に訴訟提起等の裁判上の請求をしないと時効中断の効果は生じません(民法153条)

    (2)差押、仮差押、仮処分…裁判所へ申請します

    (3)債務承認
      承認とは、債権の存在を認める旨の表示をすることをいいます。相手が積極的に「承認します」という表示をしなくても、滞納者である債務者が利息や債務の一部を支払ったり、支払猶予を申し入れる行為も承認にあたると解されています。
      ・ 「滞納管理費等の合計金額、支払時期等の内訳、これを滞納している事実を認める内容の文書」を差し出してもらいます。
      ・ 滞納者が滞納管理費等の一部を支払った場合、受け取る際に、「但し、滞納管理費等合計金額・・・の一部として」
        と、明記の上、領収書などを発行し、受領するようにします。
     
  3. 時効完成後の請求について(民法145条)
    ◇時効期間が満了したということだけでは、債権は消滅しません。時効の援用を行なうことにより初めて消滅します。時効の援用とは、権利取得や権利消滅という時効の効果を受ける旨の意思を表示することです。
    ◇時効が完成しても、滞納者へ請求することはできます。滞納者が時効を援用した場合に、初めて請求できなくなります。  

5.特定承継される管理費等の範囲

■管理費は、共用部分などの維持管理を行うための諸費用に充てるために徴収されます。修繕積立金は、大規模な修繕や不測の事故等による修繕、敷地や共用部分等の変更に備えるための準備金として徴収されます。標準管理規約では「管理費」と「修繕積立金(特別修繕費)」を総称して「管理費等」と呼んでいます。
■債務者の包括承継人(相続人)や特定承継人(譲受人、競落人)は、管理費等の滞納を知らなくても、当然に責任を負い、支払義務者となります(区分所有法8条7条)。つまり特定承継人と譲渡人(当初の債務者)とは不真正連帯債務の関係になります。不真正連帯債務とは、連帯して譲渡人と特定承継人は管理費等の債務を弁済する義務がありますが、弁済を除いて債務者の一人に時効消滅や債務免除が生じたとしても、他の債務者にその効力は及ばないことをいいます。
管理費等と併せて専用使用料や水道光熱費(立替払い分)を管理組合が徴収している場合には、問題があります。
  1. 専用使用料
    駐車場使用料などは、特定承継人は債務承継しません。駐車場利用契約解除の規定を定め、一定期間管理費を滞納した場合、早期に解約することが望ましいでしょう。
     
  2. 水道料−その1(管理組合による立替えの場合はどうなる)
    (1)初めに、対象となるマンションは貯水槽水道による給水方式…「少なくとも受水槽に貯めてから給水されるマンション」
     マンションなどの大きい建物では、水道管から供給された水をいったん受水槽に溜め、これをポンプで屋上などにある高置水槽に汲み上げてから、各戸別に給水されます(受水槽から直接ポンプで各家庭に送る建築物もあります)。
    この受水槽と高置水槽を合わせた設備を貯水槽水道といいます。改正水道法が平成14年4月1日より施行され、マンションの貯水槽水道の管理についても、貯水槽水道の種類別(簡易専用水道、小規模貯水槽水道)に、水道法や条例、要綱等で規制や指導が行われ、設置者(通常は管理組合である所有者)が適正に管理することとされています。

    (2)貯水槽水道による給水方式の場合、共用部分の水道料と専有部分の各戸の水道料を併せて、管理組合が一括して立替え払いを行っていると思います。共用部分の水道料は管理費用に組み込まれますが、専有部分の各戸の水道料は、各戸の子メーターに基づいて管理組合が計算し、各戸に請求し、徴収する方法がとられていると思います。専有部分の水道料は、「管理費」や「修繕積立金」とは異なり、共用部分などの維持管理を行うための諸費用ではありませんので、特定承継人(譲受人、競落人)が滞納者の水道料まで支払義務者となるかが、問題となります。

    (3)判例では、一定の要件を満たしていれば、専有部分の各戸の水道料も管理組合が区分所有者に対して有する債権に当たり、区分所有者の特定承継人(譲受人、競落人)も支払義務者になると示しています。

    (4)裁判上、裁判外でも争点となりそうですので、滞納者が水道料を含む滞納管理費等を一部支払う意思がある場合、受け取る際には水道料から回収していくことも一案だと思います。領収書には、「但し、滞納管理費等合計金額・・・、滞納水道料合計金額・・・の内、水道料の一部として」と、明記して受領するようにします。
     
  3. 水道料−その2(特定承継人の負担となる場合の要件)
    (1)マンションそのものの構造上、またはすでに設置されている設備等の実体による制約で、一括需給方式(貯水槽水道による給水方式)を採用せざるを得ない場合で、

    (2)各区分所有者が専有部分の水道光熱費を管理組合に支払うこと、管理組合(管理者)がその徴収を行うこと、水道局等の事業者へ一括して支払うこと、が管理規約に定められている場合には特定承継されます。
      (大阪地裁昭和62年6月23日判決福岡簡裁平成13年6月5日判決

6.その他問題となる事例

  1. 区分所有者に資力がない場合
    (1)競売を待ち、競落人(新所有者)から滞納管理費等の回収を検討します。
      (区分所有法8条7条)(東京地裁平成9年6月26日判決

    (2)競売にかけられますと、裁判所は
       ◇執行官を派遣して写真撮影して調査し現況報告書を作成し、
       ◇不動産鑑定士に依頼して評価鑑定書を作成し、最低落札価格を決定します。

    (3)管理組合が、競落人(特定承継人)は滞納管理費等の支払義務者であると主張できるのは、次の2つの証拠がある場合であり、証拠がなければ、競落者は滞納管理費等を支払う義務はないと主張することもできますので、注意が必要です。
       ◇現況報告書に管理組合からの上申書が綴られており、滞納管理費等の金額が明記されているという点
       ◇最低落札価格の算定の際に、その価格決定に管理費等滞納額が織り込まれて算定されたものである点

    (4)裁判所から調査が入ったり、管理会社に問い合わせがあった場合は、できるだけ迅速に上申書を提出する必要があります。
    上申書だけでは時効中断の効果はでませんので、時効中断の効果を期待するなら配当請求もしておく必要があります。但し、配当はあまり期待しない方がよいようです。

    (5)競売落札者又は任意売買の買請人が特定承継人としての義務を無視し、滞納債権を支払わなかったときの対処として、法人格を持たない管理組合(所謂、権利能力なき社団)であれば、訴訟当事者適格要件をそなえておくための準備も必要です。管理費等の額を決めた総会議事録ないし規約、代表者選任議事録等。理事会決議で法的措置がとれる旨、規約に規定してある場合は、理事会議事録及びその規約規定を設けた時の総会議事録等。
    なお、 理事会決議で法的措置がとれる旨を規約に規定する場合は、規約の変更となり、特別決議を要します。細則で規定する場合も、本来規約変更すべきものですので、特別決議要件を満たしておく必要があるでしょう。
     
  2. 区分所有者が破産した場合
    区分所有者が破産した場合は、破産宣告前に生じた滞納管理費等債権と、宣告後に生ずる滞納管理費等債権とでは、破産法上、区別され取扱いが異なります。その前に、まず破産法上の債権と弁済順位について説明します。



    (1)破産法上の債権と弁済順位
    破産法は弁済順位を定めており (A)担保債権(B)財団債権(C)破産債権の順となっています。さらに破産債権は(C1)優先的破産債権(C2)普通破産債権(C3)劣後的破産債権に分けられています。

    (A)担保債権…抵当権や質権で担保された債権。

     
    (B)財団債権…破産管財人の管理下に移った破産者の総財産(破産財団)から、抵当権や質権で担保された債権に次ぐ高い優先順位で、破産手続きによらず、請求を受けた破産管財人がその債権が支払われるべき時期に優先的に支払う債権。

     
    ◇財団債権の具体例として、破産財団の管理・処分のための費用(破産宣告後明け渡しまでの滞納管理費等、破産管財人の報酬、不動産売却手数料、破産宣告後の労働債権など)や租税債権(国税・地方税や社会保険料)が該当します。

     
    (C)破産債権…破産宣告前の原因によって生じた債権。破産宣告により支払いが棚上げされ、強制執行や仮差押は失効します。裁判所に債権届出を行い、破産管財人から配当を受けます。破産債権の中にも優先順位があり、優先的破産債権から配当していきます。配当原資が不足する場合は、同一順位の債権ではその債権額の割合に応じて配当する。


      (C1)優先的破産債権…一般の先取特権がある破産債権(破産宣告までの滞納管理費等

      (C2)一般破産債権…優先権のない一般債権

      (C3)劣後的破産債権…破産宣告後の利息など

    (2)破産法上の債権と弁済順位
    ◆破産宣告前に生じた滞納管理費等債権…(C1)

    ◇債権者(管理組合)の個別的権利行使は禁止されます。

    ◇債権を届け出たのち、破産法第39条の優先的破産債権として優先弁済を受けることになります。先取特権の項で述べましたように、抵当権より弱い(劣後する)ので、弁済の実効性は乏しいと思われます。

    ◇相手が法人の場合、配当後に会社は消滅します。

    ◇相手が個人の場合は通常、同時破産廃止という手続きがとられ、破産申立人は破産宣告を受け破産者になりますが、破産管財人は選任されず、破産者の財産処分や債権確定手続、配当手続き等も行われません。同時破産廃止が認められるためには、破産財団が手続きの費用を償うに足りないほど少ないことが必要です。東京地裁では、破産者の資産が換価して50万円に満たないと考えられる場合には、同時破産廃止が認められている場合があるようです。

    ◇相手が個人の場合、破産宣告を受けた後一定の定められた期間内に免責申立をすることができます。この場合、同時破産廃止を受けた債務者も同様に免責申立の権利があります。債務者(破産者)に免責許可決定が確定しますと、残債務の支払義務を免除され、その債務は自然債務(債務者の任意の弁済を受領できるという弱い効力の債権)となります。これにより債権者(管理組合)は、その回収の為の裁判上での請求が許されなくなり、さらに強制執行を求めることもできなくなります。しかし残債務は自然債務として残りますので、債務者が任意に弁済するぶんには有効な弁済となりますが、期待しない方がよさそうです。

    ◆宣告後に生ずる滞納管理費等債権…(B)

    ◇破産法第47条第3号の「破産財団の管理・処分のための費用」に該当し、破産管財人に対し、その全額を請求することができます。


    ◆破産財団が競売・任意処分したマンションを取得した区分所有者Bの支払義務

    ◇破産者に払ってもらえなかった滞納管理費等を、新たな特定承継人(区分所有者Bさん)へ請求できるかが問題です。
    ◇破産者の債務は依然として自然債務として存在しますので、判例がなく議論はあるようですが、破産者(当初の債務者)と不真正連帯債務の関係があると解すれば、区分所有者Bさんに引き継がれると考えてもよろしいのではないでしょうか。マンションの適正な維持管理を進めていく上でも、望ましいのではないかと思います。
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