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マンション管理士 MAINO マンション会計の健全化

マンション会計の健全化

このページでは、マンションの管理費会計及び積立金会計を健全化していくためのポイントを解説いたします。

管理費及び積立金の現状 / 適正水準の修繕積立額への見直し
管理費・積立金の現状と問題
  1. 三大都市圏で2000年1月から2004年9月までに供給された新規分譲マンションを対象に(株)東京カンテイが調査したところ、管理費及び積立金の都府県別平均値は以下のようになっています。
  2. 管理費はマンションごとに規模やグレード、立地、管理体制、オプションなどを総合的に勘案して決められていますが、専有面積で按分されている場合、一般に住戸の専有面積が広いほど管理費は高くなる傾向にあります。
  3. 修繕積立金については、財団法人マンション管理センター発行「マンションの修繕積立金算出マニュアル」によるモデルケース(専有面積平均75平方メートル、機械式駐車場装置18台の平均的な45戸のマンション)で試算しますと、30年間に必要な一戸当たり修繕費用は約533万円、1平方メートル当たりの月額に直すと197円。機械式駐車場装置がない平面式の場合で約417万、1平方メートル当たりの月額に直すと154円となります。
  4. 実際の修繕積立額は1平方メートル当たり月額で、首都圏の平均が77円、中部圏64円、近畿圏62円、平均で65円です。分譲当初から住宅金融公庫の「マンション維持管理基準額(公庫マンション維持管理ガイドブックにも掲載)」に沿って積み立てた場合、同規模マンション一戸当たり30年間で約334万円(123円/屐膨度積み立てられることになります。しかしながら分譲時に一括で支払う修繕積立一時金を含めても、必要な修繕費用は積立金だけでは賄えない可能性があるということです。これは、多くのデベロッパーや管理会社が住宅金融公庫の「マンション維持管理基準額に沿って、分譲時に積立金額を低い水準で設定する傾向が強いためだと考えられます。
  5. 国交省が平成17年3月、マンション管理標準指針策定に必要となる基礎資料を得ることを目的として実施された既分譲のマンションの維持管理状況等の調査では、専有面積1平方メートル当たり月額は131円となっており、平面式駐車場の場合の目標値に近づいていますが、機械式駐車場の場合の目標値にはかなりまだ開きがあることがわかります。
三大都市圏 都府県別平均管理費・修繕積立金
  (東京カンテイ調べ、2000年─2004年9月新規分譲)
県 名 分譲戸数平均専有
平均平均 専有面積当たり
専有面積当たり
(平方メートル) 管理費(円) 積立金(円) 管理費(円) 積立金(円)
東京都 235,09567.5613,787 5,386 20480
千葉県 48,07981.6213,361 5,904 16472
神奈川県 117,57576.2413,294 5,686 17475
埼玉県 43,60176.7012,474 6,016 16378
和歌山県 1,46575.1511,058 4,700 14763
愛知県 43,68085.5810,592 5,536 12465
京都府 15,68574.8110,362 4,621 13962
兵庫県 52,62277.1510,084 4,811 13162
奈良県 5,72380.409,955 4,106 12451
大阪府 93,56875.379,904 4,730 13163
滋賀県 5,99579.159,768 4,171 12353
三重県 2,60788.358,835 4,269 10048
岐阜県 2,94587.778,724 5,251 9960

修繕積立金の見直しの必要性
  1. 上記調査からも分かりますように30年間のスパンで観ると、修繕積立額はほとんどのところで足りなくなると推測されます。このため管理組合が主体となり、長期的視点に立って修繕計画を定期的に見直しを行っていくことが肝要です。新規分譲では5年程度経過後に、また既分譲マンションでは長期修繕計画期間が25年となっていない場合(機械式駐車場装置の更新やエレベータリニューアル費が考慮されていないなど)、計画内容について個々のマンションの事情を勘案した長期修繕計画に見直し、修繕積立額を適正な水準にしていくことが、結果として資産価値の維持、快適性の確保に繋がるのだということを管理組合員皆さんが認識してその意識を共有することがとても重要です(標準管理規約コメント32条関係)。

管理費の理解と使用料収入の扱い
管理規約での管理費の規定
  1. 皆さんの管理規約では、管理費はどのように規定されているでしょうか。『ウチのマンションでは最新の標準管理規約に準拠して改正したから大丈夫』と安心は禁物です。
    駐車場使用料が”管理費”として規定され、当然のごとく駐車場関連の保守や維持関連以外の費用に充てられていませんか。
  2. マンションの敷地及び共用部分等を適正に管理するため、その管理に要する費用は、
    通常の管理で支出される費用と、
    特別の管理で非経常的、計画的に支出される費用
    に区分されており、これが管理に要する費用のすべてです。
     標準管理規約25条では、前者,”管理費”と呼び、後者△”修繕積立金”とし、併せて 「管理費等」と見出しに表示しているにすぎず,”等”の意味は「修繕積立金」を指しています。なお、団地型の修繕積立金では頭に”各棟”や”団地”という名目で費目が細分化されるのが一般です。
  3. 駐車場使用料(専用庭や駐輪場使用料など、以下「駐車場使用料」)は敷地や共用部分でありながら、専用使用部分を排他的に使用できる権利を有償としたもので、管理を目的として徴収する管理費とは性格が異なります。このため標準管理規約29条で、”管理費”ではなく”使用料”として規定しているわけです。
  4. マンション会計における収入は、管理費等(管理費及び積立金)と使用料からなると、標準管理規約57条で明確に分けられているのもこういう理由からです 。
  5. 駐車場の使用料を管理費に充当すれば、見かけ上の管理費の戸別負担額は安くなり、月々の管理費と積立金の支払合計額が低く抑えられているように見えるため現状を肯定的に捉えている方もおられるでしょう。しかしながら、高齢化によって駐車場使用率が下がり駐車場収入が減ってくると途端に管理費収入の不足を覚悟しておく必要があります。特に機械式駐車装置の場合は問題があり、機械装置の必要維持経費以上を管理費に充当し続ければ、将来予想される駐車場装置取替のための費用の大幅な不足を招くことになったり、一時金負担が強いられる可能性もあります。本来積み立てておくべき積立額を先食いしているとも言えます。
      この事態を避けるために、標準管理規約では、駐車場の保守や維持に関する管理費用以外は、将来の設備の大規模補修や設備取替えに備え、できるだけ修繕積立金として積み立ててくださいよ、としたのです。
  6. ”使用料”による収入はそれらの維持保守費などの管理に要する費用を除いて修繕積立金として積み立てるのが本来望ましいあり方です。「それらの管理に要する費用に充てる」ということは、狭義には駐車場の保守料、電気代、補修費、設備賠償保険料などが考えられますが、一概にいくらと算定するのも困難です。
  7. かといって現状のマンションの多くで、管理費会計予算は駐車場使用料を充当することを前提に組まれているかと思います。そういうマンションで管理費に充当する駐車場使用料を狭義に解し、管理費への充当額を直ちに駐車場使用料の2割や3割にすると、管理費収支は赤字という問題に直面するでしょう。また駐車場の空きがかなりの数に及ぶと、修繕積立金への積み立て額も減少してきます。
     国土交通省の調査でも、マンション311棟中、「駐車場収入を独立した駐車場会計で区分経理している」、または「すべて積立金会計へ繰入れ、且つ駐車場名目で積み立てている」、超健全といえる管理組合は現状ではまだ10%程度にすぎません(H17年マンションの維持管理状況に関する調査)。
  8. なお、平面自走式駐車場では維持費や取替費がほとんどかかりませんので、積立金として積み立てておけば将来の大規模修繕費の支出の際には大いに助かります。
使用料の取り扱いと処理
  1. では、現実的な対応として、まず何から見直せば良いかと言いますと、
    駐車場使用料を無条件に管理費に充当するのではなく、管理費にいくら、修繕積立金にいくらと、どちらにどの割合で充当するのか、毎年予算作成時に現状を認識してよく検討する必要があるということです。今までのドンブリ勘定からの脱却、将来の大規模な補修や設備取替えを見据えた管理が行えます。予算案として、駐車場収入の充当割合を前年度実績を参考に決めて総会に上程します。当初は赤字にならない範囲で使用料収入の管理費への按分を決めることになります。必要に応じて管理費の引き上げや管理費支出の見直しも視野に入れておく必要があります。
     規約上、原則は標準管理規約29条で規定し、次善の策として現状を踏まえた修正を加えて対処されればよろしいかと思います。
      標準管理規約29条の修正案を例示しますので参考まで。
    『駐車場使用料等は、それらの管理に要する費用に充てるほか、修繕積立金として積み立てる。ただし、管理費収支に不足が生じるおそれのあるときは、積み立て額を減額することもできる。』
  2. 標準管理規約61条では、「収支決算の結果、管理費に余剰を生じた場合には、その余剰は翌年度における管理費に充当する。」とされています。予算実績主義に基づくマンションの管理費収支では、本来多額の余剰が生じることはないので、このように規定されています。
      皆さんのマンションではどう規定されていますか。「管理費会計に余剰がある場合は、その余剰は翌年度の修繕積立金会計へ繰り入れる」といったような規定があるかもしれません。
     これは、管理費会計が赤字にならないという大前提があるからです。前述したように、使用料収入を按分して管理費に充当する場合は、突発的な補修工事などで一時的に管理費収支が逼迫ないし赤字になるおそれがでてきますので、管理費収支にある程度の剰余金を繰り越しておくほうが合理的です。
     標準管理規約61条の修正案を例示しますので参考まで。
    『管理費に余剰が生じた場合には、その余剰は翌年度における管理費に充当するほか修繕積立金に繰り入れる』
  3. 機械式駐車装置がほぼ100%のマンションにおける事例ですが、管理組合が数年にわたって努力され、駐車場収入1台当たり15,000円の内、管理費充当額として約5,000円、積立金充当額として10,000円に按分するという予算案を策定、総会での承認までにこぎつけ、健全な会計を実現された管理組合さんもおられます。
     駐車場使用料の按分額のモデルケースについては、こちら(機械式駐車場の維持)をご参考下さい。
管理費収支の剰余金の考え方
  1. 管理費収支で、駐車使用料を管理費に充当している場合、剰余金が生じるのは当然のことで、安閑としてもいられません(駐車場使用率が下がれば勿論赤字になる場合も出てきます)。
     特に機械式駐車場を多数設置しているマンションでは、将来の修繕費や取替費を管理費で先食いしている可能性がありますので注意を要します。
  2. この機会に、決算資料と管理規約の規定を再点検してみてください。そしてまずは、出来うる範囲で健全な管理費会計と積立金会計を目指すことから始めましょう。

参考資料:
・マンションの修繕積立金算出マニュアル((財)マンション管理センター)
・公庫マンション維持管理ガイドブック

引用:
・三大都市圏 都府県別平均管理費・修繕積立金調査2000-2004(東京カンテイ)

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