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マンション管理士 法令要点解説

区分所有法の要点解説

このページでは、マンション管理と最も関わりのある区分所有法について、平成14年改正要点を旧法と比較しながら解説いたします。


改正区分所有法の要点(平成14年12月改正)

対象項目 対象条項 改正要点
共用部分の変更 17条1項
  1. [旧法] 大規模修繕工事は「多額の費用」の要件により、4分の3の特別決議が必要。
  2. [新法] 大規模修繕工事は「形状又は効用の著しい変更」の要件に該当せず、過半数の普通決議で足りるとした。 「形状又は効用の著しい変更」という新たな共用部分の変更の定義を明確化した。大規模修繕を行う際には、性能の向上に繋がるような形で維持するのが一般的であり、多額の費用がかかるが、この修繕はマンションの維持にとり不可欠なものであるから、 「形状又は効用の著しい変更」には該当しないとした。
  3. [コメント] 集会の現状は、委任状・書面投票を含め定足数の過半数ぎりぎりで集まるところが多いのではないでしょうか。このような管理組合にとり決議を得やすくなったといえます。
管理者等の権限 26条2項
26条4項
47条6項
  1. [旧法] 共用部分等を毀損するなどの不法行為による損害賠償を求める損害賠償請求権、共用部分等の不法占拠者・無権限使用者に対する不当利得による返還金の請求権は、共用部分の持分に関する金銭賠償であるので、各区分所有者にその権利が帰属する分割債権と解され、従来は管理者等が一括して損害賠償請求を主張する代理権限は認められていなかった。
  2. [新法] 改正法では、共用部分に関して団体的な管理をすべきものとして、管理者等にこれらの請求権に関する代理権が与えられた(26条2項)。訴訟における当事者適格も認められた(26条4項)
  3. [コメント] 瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求は依然として分譲時の買い主しか認められないという問題が残るようです。
規約の適正化 30条3項新設
  1. [旧法] 特に原始規約において特定の区分所有者、その多くは分譲業者であったり敷地の元所有者であったりするが、これらの者に有利な条項、たとえば無償使用権を与えたり、管理費等が低額であったりといった規約条項があった。
  2. [新法] 「専有部分、共用部分、敷地、附属施設につき、衡平が図られるように定めなければならないものとする」とされ、これに違反していると認められた規約は無効とされる効力規定が新設された。
  3. [コメント] 分譲主等が広告塔等を分譲前に無償で設置したり、駐車場が区分所有者以外に分譲されてしまっているといった問題は解決されないようです。
管理組合の法人化の要件 47条1項
  1. [旧法] 管理組合法人になるためには、区分所有者の数が30人以上でなければならないとされていた。
  2. [新法] 改正法ではこの人数要件が撤廃された。
  3. [コメント] 小規模マンションでも法人化できるようになりました。法人でない管理組合では、管理組合名義の通帳は「○○管理組合 理事長名」となっていると思います。万一理事長が自己破産した場合、破産の前に通帳が差し押さえられるおそれがあります。銀行が管理組合預金であることを知っている等の実態で判断され、一般には管理組合資産として認定されるようですが、立証する等の手続きをしなければならず、面倒なことであることにかわりありません。メリットとデメリットを勘案し、今後は法人化を目指すことのほうが良いように思います。
規約・議事録等の関係書類の電子化等 30条5項新設
33条2項
42条1項
  1. [新法] 商法等の改正にならって新設された。
    規約や議事録等の関係書類については、作成・保管義務が従来より定められている。これらを電子化して電磁的記録という形で作成・保管することを法的に認めたものである。
  2. [参考] 建物の区分所有等に関する法律施行規則1条
電磁的方法による議決権の行使 39条3項新設
  1. [新法] 改正法は書面による議決権の行使(いわゆる書面投票)と共に、これを電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)で行使することを認めたものである。規約または集会の決議によって初めて認められるものとした。
  2. [参考] 建物の区分所有等に関する法律施行規則3条
  3. [コメント] 従来より、たとえば遠隔地に居住している区分所有者は書面投票で集会に出席することなく議決権が行使できましたが、規約または集会の決議があれば電磁的方法でも行使できるようになり、選択肢が広がり、利便性が高まるものと思われます。
電子署名 42条4項新設
  1. [新法] 議事録が電磁的記録で作成されている場合は、法務省令(平成十二年法律第百二号)で定める電子署名をしなければならないとした。
  2. [参考] 建物の区分所有等に関する法律施行規則4条、電子署名については、電子署名及び認証業務に関する法律(平成十二年法律第百二号)第二条第一項
書面又は電磁的方法による決議 45条1項新設
  1. [新法] 決議を行うこと自体を、実際に集会を開かずに、書面または電磁的方法でなすことを認めた。区分所有者全員の承諾が予め必要とされる。1人でも反対すれば、この方法は認められない。従来型の「書面決議」と同様に、「電磁的方法決議」は、区分所有者全員の合意で成立し、集会決議と同一の効果を持つことになる(同条2項)。
  2. [参考] 建物の区分所有等に関する法律施行規則5条
  3. [コメント] 区分所有者が恒常的に居住していないリゾート型マンション等で普及すれば、臨時集会等を開催せずとも、決議すべき事項についてタイムリーに決議合意が得られるという利点があると思います。
復旧
-買取人の指定-
61条7項
61条8項新設
  1. [旧法] 61条5項(いわゆる大規模滅失)の復旧決議があったときは、決議賛成者の誰に対しても買取請求できるようになっており、混乱のもとになる可能性があった。
  2. [新法]
    (1)
    改正法では、「買取指定者(第三者のデベロッパーでもよい)」が指定されている場合には、復旧に参加しない者は、買取指定者に対してのみ買取請求できるものとした(同条8項)。
  3. (2) 次に、買取指定者が指定がない場合、決議賛成者の全員に対しても、その一部の者に対しても、買取請求をすることができる(同条7項)とした。
    (3) 取請求された者は、時価を払ってその建物及びその敷地に関する権利を取得できる。そうしないで、他の決議賛成者の全員またはその一部の者に対して、復旧に参加しない者を除いて計算された共用部分の持ち分割合に応じて、再度買取請求することができるとした(同条7項)。
復旧
-買取請求権の行使期間-
61条10項新設
61条11項新設
  1. [新法] 買取指定者の指定がないときは復旧決議のための集会を招集した者、買取指定者の指定がされているときは当該買取指定者は、決議に賛成しなかった者に対して、4ヶ月以上の期間を定めて、買取請求権を行使するか否かを確答すべき旨を書面で催告することができるとした。この催告を受けた区分所有者は、期間内に確答しなかった場合、その期間後は買取請求権を行使できないものとした。
建替え
-建替え決議の要件-
62条1項
  1. [旧法] 建替えの客観的要件として、「老朽、損傷、一部の滅失その他の事情に照らし、建物がその効用を維持し、又は回復するのに過分の費用を要するに至ったとき」に建替え決議をすることができるとしていた。改正前の建替えでは、現在ある建物の「同一の敷地」に「主たる使用目的が同一」な建物を建てなければならなかった。
  2. [新法]
    (1)
    改正法では、このような客観的要件は明確性を欠き、実際の建替え決議の場面では、具体的指標と成り得ずかえって紛争を招くといった理由から、削除され、5分の4以上の特別決議要件だけで建替え決議が成立するとした。いわゆる効用増のみによる建替えも許容されることになった。
    (2) 改正法では、「同一の敷地」、「主たる使用目的が同一」という要件も不要とした。建替えられる建物は、現在の敷地と少しでも重なっていればよくなり、追加購入した土地にまたがって建築することも、一部敷地を売却して残りの土地に建築することも許されることとなった。また、建替えられる建物の使用目的が一切問われなくなり、たとえば、住宅専用マンションから住宅と店舗・事務所が混在する複合型マンションに建て替えることも可能となった。
  3. [コメント] 区分所有権といえども所有権であるので、民法の共有の原則からすると、 全員の合意がないのに区分所 有権の変更を安易に認める(手続きは厳格化されたが)ことは、所有権を大きく変質させてしまうという意見もある。
建替え
-招集通知の発出時期-
62条4項新設
  1. [旧法] 建替え決議を会議の目的とする集会を招集するときでも、当該集会の会日より少なくとも1週間前に招集の通知を発すればよかった(35条1項)。
  2. [新法] 建替え決議を会議の目的とする集会を招集するときは、35条1項の規定にかかわらず、当該集会の会日より少なくとも2ヶ月前に招集の通知を発しなければならないとした。十分な判断材料(62条2項、同条5項、35条5項)が示された上で、熟慮する十分な期間が区分所有者に与えられることとなった。
建替え
-通知事項-
62条5項新設
  1. [旧法] 改正前では、建替え決議を会議の目的とする集会の招集の通知をするとき、議案の要領を通知することとしていた(62条2項、35条5項)。
     (1)再建建物の設計の概要
     (2)取り壊し及び再建の費用の概算額
     (3)費用の分担に関する事項
     (4)再建建物の区分所有権の帰属に関する事項
  2. [新法] 改正法では、新たに、
     (5)建替えを必要とする理由
     (6)現建物の効用の維持・回復に要する費用の額及びその内訳
     (7)現建物の修繕計画が定められているときには、当該計画の内容
     (8)現建物につき修繕積立金があるときにはその金額
    をも、通知しなければならないとした。
    これにより、各区分所有者は建替えの是非について、修繕による方法と比較しつつ検討することができる。
建替え
-説明会の開催-
62条6項新設
62条7項新設
  1. [新法] 建替え決議を会議の目的とする集会を招集した者は、当該集会の会日より少なくとも1ヶ月前までに、当該集会の際に通知すべき事項に関する説明会を開催しなければならないとした。判断材料(62条2項、同条5項、35条5項)について、決議前に十分な説明を受け、その後集会までの期間、十分熟慮できるようにしたものである。
団地内の建物の建替え承認決議 69条新設
  1. [新法] 団地内の建替えについて、本条の「各棟ごとの建替え」と70条の「一括建替え」の制度が併存して新設された。どちらの制度を選択するかは、団地ごとに決定することになる。
  2. [1.前提要件」
     (1)
    団地内建物の全部または一部が「区分所有建物(分譲マンション等)」であること。
     (2) 敷地(附属施設含む)が各建物所有者の共有であること。以上を満たした棟が本条の適用を受ける。
    以下、建替えようとする団地内の建物を「特定建物」という。
  3. [2-1.特定建物の棟での決議] その区分所有者及び議決権の5分の4以上の多数による集会決議または全員の同意が必要である(62条1項、69条1項1号)。賃貸マンションの建替えでは、建物の所有者の同意が必要である(69条1項2号)。
  4. [2-2.特定建物以外の棟での決議] 特定建物の建替えが、特定建物以外の建物に特別の影響を及ぼすとき(たとえば特定建物以外の建物の容積率がかわる等)、特定建物以外の棟において、区分所有者全員の4分の3以上の議決権を有する者の賛成を得なければならない(69条5項)。
  5. [3.団地管理組合での決議1] 団地管理組合の集会において議決権の4分の3以上の多数による承認決議を得なければならない。なお、以下の点に留意する必要がある。
    (1) 承認決議の各自の議決権は、土地の共有持分のみにより、頭数は考慮されない(69条2項)。
    (2) 建替え対象の特定建物の区分所有者は、棟では可決されたが棟の建替え決議に賛成しなかった場合でも、団地管理組合での承認決議では賛成した者とみなされる(69条3項本文)。
    (3) 承認決議のための集会を招集するとき、その通知は、集会の少なくとも2ヶ月前に、特定建物の建替えの承認決議である旨の議案要領、新たに建築する建物の設計の概要(団地内における位置を含む)を示して発しなければならないとした(69条4項本文)。
  6. [4.団地管理組合での決議2(数棟一括承認)]
    (1) 特定建物の建替えが複数棟ある場合、複数の特定建物の「全区分所有者の合意」により、複数棟の建替えについて一括して団地管理組合の承認決議を受けることができるとした(69条6項)。
    (2) ただ、特定建物の各棟の建替え決議のための集会において、区分所有者及び議決権の5分の4以上の多数で、複数棟の建替えについて一括して団地管理組合の建替え承認決議を受ける旨の決議をすることができ、この決議があったときには、複数の特定建物の「全区分所有者の合意」があったものとみなされることとした(69条7項)。
団地内の建物の一括建替え決議 70条新設
  1. [新法] 団地全体で決議するだけで、一括して建替えることができる制度が新設された。
  2. [1.前提要件」
     (1)
    団地内建物の全部が専有部分のある建物であること。
     (2) かつ、当該団地内建物の敷地が当該団地内建物の区分所有者の共有に属していること。
     (3) さらに、当該団地内建物の管理に関して団地全体の規約が定められていることが必要となる。
  3. [2.一括建替え決議]
    団地管理組合等の集会において、区分所有者及び議決権の5分の4以上の多数決で、団地内建物につき一括して、その全部を取り壊し、かつ再建団地内敷地に新たに建物を建築することができるものとした。ただし、以下の点に留意する必要がある。
  4. [3.一括建替え決議の議決権]
    一括決議の各自の議決権は、土地の共有持分のみにより、頭数は考慮されない(70条2項)。
  5. [4.一括建替え決議で定める事項] この決議において次の事項が定められなければならない(70条3項)。
     (1) 再建団地内敷地の一体的な利用についての計画
     (2) 再建団地内建物の設計の概要
     (3) 団地内建物の全部の取り壊し及び再建団地内建物の建築に要する費用の概算額、
     (4)
    (3)で定められた費用の分担に関する事項
     (5) 再建団地建物の区分所有権の帰属に関する事項
  6. [5.一括建替え決議の成立要件] 70条本文の団地全体としての一括決議の可決だけでなく、各団地内建物ごとに、それぞれの区分所有者及び議決権の各3分の2以上を占める者が一括建替え決議に賛成している場合でなければならないものとした(70条但し書き)。
    全体としての一括決議は可決されても、内訳に当たる棟ごとの賛成が1棟でも3分の2未満で有るときは、一括建替えは認められないとした。
  7. [コメント] 法制審議会の審議結果の反映というより、政治的意向を反映したものとの指摘も学者にある。
過料に関する規定の整備 71条
72条
  1. [旧法] 管理者、理事、規約を保管する者、議長又は清算人が過料に処せられる場合、 改正前では、過料の金額は10万円、5万円となっていた。管理組合法人等の名称に関する規定に違反した場合は、過料5万円となっていた。
  2. [新法] 改正法では、過料の金額を2倍に引き上げ、20万円、10万円とした。管理組合法人等の名称に関する規定に違反した場合は、過料10万円とした。

<参考資料>  マンション管理センター通信、建物区分所有法改正案要綱の概要(法務省等)

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