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日本の区分所有法の変遷

日本の区分所有法の変遷


昭和37年制定 区分所有法

日本では、マンションの分譲など建物を区分して所有する事例が増加するに伴い、旧民法208条(建物の区分所有)だけでは処理しきれない問題が発生し、昭和37年にドイツとかフランスに由来する管理制度(いわゆる管理者型)を模範として区分所有法が制定されました。旧民法208条は削除され、制定された区分所有法は条文数が37条だけというシンプルなものでした(昭和37年制定:旧区分所有法)。
 しかしその後の人工の都市集中、都市の地価高騰により分譲マンションが急速に普及し、その規模も高層・大型化していき、これに伴い当初予想できなかった管理上の問題、不動産登記上の問題が生じてきました。すなわち、

  1. 建物の管理に関して、
    ゝ約の設定・変更等が一部の者の反対でできない(全員の合意を必要とした)
    管理組合の法律上の性格が不明確
    6ζ韻陵益に反する行為をした者への措置が十分でないなどの問題
  2. 登記に関して、区分所有建物の敷地の登記簿が膨大複雑化し、権利関係について一覧性にかけるという事態が生じてきました。

昭和58年改正 区分所有法

このような問題を改善すべく、昭和58年にアメリカに由来する管理組合制度を導入し、管理組合が意思決定機関、理事会が執行機関として位置づけられました。条文数は70条に増え、37年法における実務上の問題点、管理組合運営のためのルールも細かに規定されました。
58年改正法の要点は以下のようになっています。

  1. 専有部分と敷地利用権の分離処分を原則として、できないようにした。
  2. 共用部分の変更や規約の設定・変更等は、全員の同意でなくても、区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数決で実施できるようにした。
  3. 共同の利益に反する行為をした者に対して、その者を除く区分所有者全員又は管理組合法人は、その行為の差し止め請求、専有部分の使用の禁止請求又は競売請求をすることができるようにした。
  4. 区分所有者は全員で建物等の管理を行うための団体の構成員であることを明記し、また30人以上の区分所有者を有する団体であれば、集会決議により管理組合法人となることができるようにした。
  5. 老朽化等により建替えが相当であるとするに至った場合は、区分所有者及び議決権の各4/5以上の多数決で建替えを実施できるようにした。
  6. 改正後の不動産登記上の扱いは次のように合理化されました。
    建物(専有部分)と土地(敷地利用権)が一体化され、建物の登記用紙に敷地権の登記がなされると、以後は土地の登記簿が閉鎖され、建物と土地に関する権利変動は建物の登記用紙にだけ登記されるようになり、登記簿の複雑性・膨大性が緩和され、登記手続きの合理化が図られた。

昭和58年の改正によって、全員一致原理から広範な多数決原理が採用されて、いわゆる団体的な拘束が強化され、これが今日まで定着してきました。

平成14年改正 区分所有法

前回の改正から20年経過し、現行の規定では維持管理面で十分対処できない事項も生じてきたこと。また築後30年以上のマンションが10年後には100万戸に達し、現行の建替えや復旧の規定にはいくつかの点で問題があるとの指摘があったこと。さらに現行政府の大きな目標に規制改革や都市再生が掲げられ、これらの観点から改正が行われました。第一が「管理の適正化(以下、要点1.〜6.)」に関して、第二が「建替えの円滑化(以下、要点7.〜8.)」に関しての見直しが図られました。
本来は、団体的要素というのは管理に関してのみで、所有権に関しては及ばないと解されています。しかし、2002年12月成立の改正区分所有法のなかの「建替えの規定」に関しては、所有権へも団体的な拘束が及ぶことになるとされ、画期的で注目すべき改正となりました。
変更の要点は以下の通りです。詳しくは、「平成14年12月改正区分法の解説」をご覧ください。

  1. 共用部分の変更要件の緩和
  2. 管理者等の代理権及び訴訟時の当事者適格の見直し
  3. 管理規約の適正化に関する効力規定の新設
  4. 管理組合の法人化に際しての要件緩和
  5. 規約・議事録や集会・決議の電子化等に関する規定の新設
  6. 復旧に際して、決議に反対した者が請求できる買取の相手方及びその行使方法を改めた
  7. 建替え決議要件及び建替え決議の手続きの見直し
  8. 団地内建物の棟別建替え制度と一括建替え制度の新設

管理組合の努力義務の公表

日本のマンションでは、管理の主体は区分所有者である組合員ですが、管理組合を構成する理事会が執行機関として、管理会社へ管理を委託(一部委託を含め85%)する形態が多いようです。役員や管理者がマンションの管理に無関心・無責任でいると、理事会が執行機関として十分な機能を果たせず、ややもすると運営が管理会社任せとなってしまいます。管理会社は契約通りに管理するに留まりますので、これだけでは建物の適正な維持修繕は難しく(必要な時機に合意形成できない、修繕積立金不足等)、いずれマンションの快適性が損なわれ、スラム化、資産価値低下につながると言われています。そこで、平成12年12月に「マンション」が初めて法で規定されマンション管理適正化法)、マンション管理を適正に行っていく上で区分所有者や管理組合の努力義務が国土交通省から告示されました(平成13年8月1日:マンションの管理の適正化に関する指針)。

現行法での理事会の位置付け

現行の区分所有法のもと、管理組合法人(所定の手続きを経て登記された組合)では理事が管理組合を代表しますので区分所有法でいう管理者は置かれません。ただし、一人では管理組合の運営が不可能なので、複数の「理事」及び「監事」を構成メンバーとする「理事会」を業務執行機関として組織し、管理組合の維持管理等の運営にあたることとしています。

管理組合法人でない管理組合(いわゆる権利能力なき社団、大多数の組合はこれに該当する)においては、管理者を置くことは強制されていませんが、一般には集会決議や規約で規定された事項を執行する機関として、複数の「理事」及び「監事」というメンバーで構成された「理事会」設置しています。「理事会」は対内的には業務執行機関として機能し、対外的には「理事長」が管理者として管理組合を代表します。ちなみに管理組合の最高意志決定機関は「定期集会」や「臨時集会」であり、理事会は集会での決定等を執行する下位機関に位置づけられています。

管理組合法人でない管理組合の理事会は、管理組合法人での理事・監事の常置必須の制度を類推適用ないし準用した形で設置されているのです。昭和58年に旧建設省が管理規約を定める場合の指針として、中高層共同住宅標準管理規約を公表し、この管理規約の雛形の中にも理事会の機能を規定し、今日まで定着してきました。読者のお住まいのマンション管理規約にも一般に規定されていると思います。
なお、平成16年1月23日に標準管理規約と呼称が変わり改正されております。


<参考文献>
・マンション管理法入門(山畑哲世著)
・マンション管理実務読本(日本マンション学会関西支部編)
・建物区分所有法改正案要綱の概要(法務省等)
・民法の解説(一橋出版)
・マンション法の解説(一橋出版)

 
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