マンション管理士は、マンション管理の諸問題に対して管理組合の立場に立って、解決を支援する専門家です!業務地域◇阪神地区:西宮市,宝塚市,芦屋市,神戸市,伊丹市,尼崎市,三田市,川西市ほか隣接地域

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マンション管理 補修・修繕のポイント

維持管理・修繕のポイント

このページでは、マンション管理組合の維持管理及び修繕に際してのポイントを解説致します。

  修繕・補修工事と長期修繕計画
修繕の種類について
  1. マンションの維持・保全には、(1)保守・点検作業と(2)補修・修繕作業があります。日常点検や法定点検で発見された不具合ないし突発的に発生した不具合を、その都度補修していく「A.経常修繕」と、建物や施設を構成している部材・機器類について、それぞれの物理的な耐用年数に応じ、計画的に修繕を実施していく「B.計画修繕」があります。
    経常修繕は「事後保全」が主となっているのに対し、計画修繕では、不具合が生じる前に予防的な措置を施しマンションを経済的に長持ちさせる「予防保全」の要素も多く含まれています。
  2. 「B.計画修繕」の主要な項目としては以下があります。
    ・塗装工事 ・外壁補修工事 ・防水工事
    ・給排水設備工事 ・ガス設備工事 ・消防設備工事
    ・昇降設備工事 ・機械式駐車設備工事 ・電気設備工事
    ・テレビ受信設備工事 ・土木工事 ・外溝工事
  3. 20年から30年の期間で計画される長期修繕計画に基づく修繕の中でも、「大規模修繕工事」は金額、規模が大きく、内容も専門的なものが多くなります。マンションの維持・保全のなかでももっとも重要であり、また困難を伴う工事と言われています。
  4. 大規模修繕の際には、より住みやすい快適な環境づくりを目的として、マンションの機能向上や改良を行うことが一般的であると考えられています。増改築工事、設備改善工事、駐車場増設、バリアフリー施設への改良、情報・通信設備の整備、最新セキュリティシステムの導入等、マンション管理に多くの課題があります。
長期修繕計画を作成する主体は誰か
  1. 「建築基準法8条(維持保全)」に以下のように規定してあり、分譲マンションにおいては、管理組合が作成の主体とされています。
    「建築物の所有者又は管理者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するため、必要に応じ、その建築物の維持保全に関する準則又は計画を作成し、その他適切な措置を講じなければならない。」
    また、国土交通省では、建築物の維持保全に関する準則又は計画の作成に関し、指針を定めています(昭和60年建設省告示第606号)。
  2. 管理組合が留意すべき事項として、「長期修繕計画の策定及び見直し等」をあげています(マンション管理の適正化に関する指針 国土交通省告示1228号
  3. 管理組合が行う業務として、「長期修繕計画の作成又は変更に関する業務」をあげています(標準管理規約32条単棟型
  4. 標準管理規約32条コメントで更に、
      1)長期修繕計画の必要性と重要性
      2)長期修繕計画の内容(計画期間[25年以上]、対象となる工事、見直しの時期[概ね5年程度ごと])
      3)劣化診断(建物診断)の必要性
      4)長期修繕計画及び劣化診断に要する費用の充当方法等
    が具体的に示されています。
  5. 住宅金融公庫のマンション購入融資に際し、その維持管理評価基準の中で、長期修繕計画の期間や計画期間に対する修繕積立金額の基準を定めています。マンションすまい・る債や公庫マンション情報登録制度においても同様の基準を設けています。マンション管理組合の維持管理への意識の向上による適切な維持管理が促進され、結果としてマンションが長期的に優良ストックとして活用され、マンション建替えまでの期間が長くなる、という側面が政策的に期待されているようです。
    築年数 修繕積立金の1戸あたり平均月額
      5年未満    6,000円/戸 以上
      5年以上〜10年未満    7,000円/戸 以上
    10年以上〜17年未満    9,000円/戸 以上
    17年以上  10,000円/戸 以上

  大規模修繕の基本的なフロー (各段階での書類など)
必要性の検討からアフターサービスまでの流れ
(右のオレンジボタンを押すと強調表示されます)

2.調査劣化診断の際に必要とされる資料
 1)設計図書
 2)過年度修繕時の工事見積書
  施工図等
 3)日常・法定点検結果

4.工事概算金額書は、その単価、金額、合計欄を空白にすることで見積依頼書として使用でき、各社間の金額比較が容易となります。

8.工事請負約款には、「民間(旧四会)連合協定」による雛形がある。

13.工事完了時引渡書類
(1)工事請負契約に伴ってさくせいされた書類
 ・施工計画書
 ・施工要領書
 ・工事実施工程表
 ・竣工引渡書など
(2)維持管理関係
 ・各種の性能保証書
 ・竣工図、補修図
 ・工事記録写真
 ・主要仕上材料リスト
 ・色彩計画書
 ・各種試験成績書など
(3)官公庁への届出書類

  修繕・補修工事に係る諸問題
役員はサイレントマジョリティに陥りやすい
  1. 組合員全員の利益のために積極的に組合運営に取り組んでいても、ややもすると理事長や理事に対して、感謝や賞賛よりも運営や対処に対する批判ややっかみが多いものです。結果として、困難を乗りこえて改善改革を行おうとすることより、無難に任期を全うすることを取る場合が現実には多いのではないかと思います。
  2. マンション管理組合の執行機関は理事会ですが、その構成員である理事長や理事の多くがいわゆる無関心・無責任のサイレントマジョリティとなっているところが問題です。このページを読まれている役員さんは勿論積極的に取り組まれている方だと思いますが。
  3. 日本の管理組合の役員就任制度の方法に、輪番制が有ります。これは、マンション管理の重要性を各組合員が認識してもらう良い機会になると思います。しかし、ほとんどの役員の方は本業をもつ傍らのボランティアが一般的でしょうから、任期中は積極的に取り組む方も、任期を全うすると、定期集会にも出席しなくなる集団、いわゆるサイレントマジョリティに戻ってしまう傾向が有ります。残念な思いもしますが、やむを得ない面も感じます。
無関心・無責任の末の修繕工事は代償が高くつく
  1. こうした無関心・無責任のサイレントマジョリティ(黙っている多数者)の間隙を縫い、区分所有者としてマンションに入り込み、積極的に理事長や設備関係理事へ就任し、大規模修繕工事等を自分の関係する業者に受注させる動きがあるようです。相見積もりもとらず、比較検討することもなしに管理組合の無関心につけ込んで、一見合法的手段で修繕積立金が吸い取られてしまうケースです。
    工事費用も高くつき、さらにアフターケアが不十分となれば、修繕サイクルが早まったり、維持補修費が余分にかかるなどで、近い将来余分な負担を余儀なく強いられることになりかねません。
  2. ここまで極端でないにしても、役員の中に工事関係の知り合い業者がいて、補修や修繕を紹介依頼する場合にも問題があります。業者選定に際し、見積金額、工事実績、アフターケア体制など十分比較検討されずに選ばれ、利益誘導ではないかと疑われるケースです。、理事に限らず本来業務監査すべき立場の監事であっても、同じ住民同士ともめたくない思いで、やはりサイレントマジョリティを装ってしまい、十分チェック機能が働かず、結果として組合員全体の利益が損なわれる事態にもなりかねません。
積極的な役員でもサイレントマジョリティになるおそれ
  1. 逆に、役員が紹介した業者が実績もあり信頼のおける会社で、誠意をもって工事を行った場合でも、業者の選定基準が無いか、曖昧だったため、あるいは業者選定経過を公開しなかったなどで、善意で紹介した役員が他の組合員からあらぬ疑いをかけられたり、業者を紹介した役員と他の組合員間で、役員退任後も感情的にギクシャクしてしまうことも起こり得ります。
  2. 「だから、管理組合に積極的に関わらないほうがよいと言ったのに」とか、「こういう疑いがもたれるから、管理組合に積極的に関わらない方がよいのでは」といった、家族の願いが聞こえそうです。
  3. 情報が十分開示されなかったり、民主的な運営が行われていなかったり、そうでなくても、管理運営規定が未整備であったりすると、善意で組合員全員の利益のために貢献した役員さんも、これから役員さんになろうとする方も、サイレントマジョリティのグループに属してしまうことになりかねません。
  4. サイレントマジョリティへの諸種対策は積極的に施す必要がありますが、永続的な効果はまだ未知数です。ドイツでは「フェルバルター」、フランスでは、「サンディック」という、管理の専門家が管理者(日本では理事長)に就任する制度をとっています。私見ですが、日本の風土では、総合的にマンションの管理の適正化を考えた場合、ドイツやフランスのような管理の職業的専門家が管理者になることも考えるべきではないかと思います。現行法でもそれは可能ですが、今後、国や行政の支援体制が充実していけば、そういう管理組合も徐々に増えていくのではないかと思います。
理事会運営でのチェック体制の確立
  1. 理事長や理事経験者が後で住みづらくならないためには、理事及び理事長の独走ないし暴走という批判に常に敏感でなければなりません。他の理事もなぜ抑えきれなかったのかという一般組合員の非難を浴びる可能性が大ですので、管理組合の運営は常に一般組合員の利益を考え、公正に民主的に行う心構えが必要です。
  2. 一方、マンションの管理規約は一般に区分所有者の善意を前提に構成されていますので、理事会や理事ないし理事長の不信任といった弾劾行為を定めた条項を定めた管理規約は極めて少ないと思います。もし、一般の組合員が、理事会や理事ないし理事長の執行行為の是正を求めようとすれば、集会での決算不承認、組合員が招集した臨時集会での非難決議などで対抗するしかありません。集会決議によって新たな代表者を決めるか、あるいは新理事長ないし監事が、不法行為ないし善管注意義務違反による損害賠償請求の訴訟を提起できますが、これはあくまで最終手段です。
  3. このように、問題が起こってから事後的に対処しても問題解決に至らないことも考えられ、裁判ともなると時間的、費用的にも相当な覚悟が必要となります。
  4. そこで、理事及び理事長ないし理事会が独走ないし暴走しないように、事前にチェック体制を予め確立しておくことが肝要です。
    このページをご覧になっている役員さんは、管理会社との関係是正や修繕工事等、積極的に管理運営に関わっておられると思いますので、役員任期中に、対外部だけでなく内部に対しても、以下で述べますチェック体制の諸策を細則で規定し定期集会で承認を得ておくか、集会で承認された諸策を議事録に明記しておくことを提案いたします。
    「任期中に不正防止の内規や慣例を設けた」としても、時間が経てば必ずしもその後も内規や慣例が守られる保証はありませんし、法的効力も希薄です。また各年度の理事会で内規・慣例は変更される可能性もあります。法的に効力をもたせる意味でも、またこれから理事や理事長となる組合員に公平で民主的な運営ルールを周知徹底する意味でも、このような管理運営規定を細則として予め規定しておくことが望ましいのではないかと思います。
  5. チェック体制の諸策
    (1) 大規模修繕工事に係る施工業者決定等の重大事項については、理事長や特定の理事に権限が集中しないよう、専門委員会を設けるなどして、多くの人が関与するようにし、最終の意思決定は必ず管理組合集会で行うようにします。
      設備や工事に精通した理事や専門委員候補がその年度にいない場合、一般組合員から募集するか、外部の専門家に意見を求めることも考えるべきでしょう。
    (2) 補修工事は、緊急を要する補修と、時間的に猶予がある補修とがあります。見積合わせを原則としますが、必ずしも価格だけが決定要素とならない場合もあります。また緊急性の高い工事では見積している猶予はないかもしれません。見積合わせをしなかった場合の理由、その特定業者に依頼した理由等を理事会議事録や広報で一般組合員へ適切に開示することが大切です。
    (3) 理事会や専門委員会の意思決定方法は、原則として出席者の多数決とします。安易に理事長や特定の委員に一任することは、不正を誘発する温床ともなりうるので、十分注意する必要があります。
    (4) 理事会や専門委員会での審議は、結果だけでなく、経過についても情報開示を心がけ、民主的かつ透明性の高い管理運営を行っていることを一般組合員へ広報していくことが大切です。
    (5) 管理組合法人でない管理組合においても、一般に管理規約で「監事」をおく条項があると思います。
      (区分所有法30条1項区分所有法50条標準管理規約41条
     監事の役割は、
      ヾ浜組合の財産状況及び業務の執行状況を監査し、
      ∈盪詐況または業務執行状況につき不正があると認めるときは、臨時集会を招集でき、
      M事会に出席して意見を述べることができるとされています。
    というように、非常に重要な役割を担っています。理事会運営が民主的で公正に行われるよう、不正をチェックする機能が理事会に組み込まれています。しかし、監事も組合員から選出されるのがほとんどでしょうから、前述したように同じ住民同士もめたくない思いで、やはりサイレントマジョリティを装ってしまい、現状は十分チェック機能が働いていないのではないでしょうか。
     この場合は、監事として外部からの専門家を招へいすることを考えるべき時期ではないかと思います。なお、その際原則として規約ないし細則の改正を要することになるでしょう。
大規模修繕工事の施工業者選定の基準の規定
  1. 選定基準として、
      (1)公共工事等の実績が多くあり、社会的な信頼があるか
      (2)技術的に信頼のおける会社かどうか(専門技術者の人数等)
      (3)メンテナンスやアフターケアに対する姿勢に誠意があるか
      (4)マンション修繕工事に対する独自ノウハウを有しているか(居住者への対応等)
    などが考えられます。
  2. これらの確認には、業者募集要綱を作り、見積書と共に必要書類(会社案内、工事経歴書、建設業許可書写等)として提出してもらうようにします。最終決定には、更にヒアリング等で確認し判断します。
  3. 業者の選定過程と結果は、大多数の組合員が聞いて、なるほどと納得できるようなものでなければなりません。候補を二つぐらいに絞って、どちらの施工業者に決まっても問題ないくらいの姿勢で理事長や理事会が臨むことが重要です。
  4. 補修工事では、補修規模に応じて選定基準に巾をもたせるようにすればよいと思います。
  5. 役員が紹介した業者であっても、選定基準に則って公正に決定され、選定の理由・経過も十分開示されるなら、組合員が役員をなんらか疑うおそれは杞憂となるはずです。適正価額で最良の工事であればむしろ感謝されるでしょう。
<その他留意点>
未実施工事の予算の繰越は問題
  1. 長期修繕計画で定めた周期は、あくまで実施の目安です。工事実施の必要性を検討するために、修繕項目に対する劣化診断を行い、実施時期を決定します。ただし、修繕周期は項目により異なりますので、場合により単独で行われることもあります。
    (1)たとえば屋上防水工事に関し、長期修繕計画では来年度に工事予定されているので、当該年度の理事会で、劣化診断をすることもなく、事業計画として防水工事を予定し、次期工事予算として修繕計画当時の費用概算額を計上した。翌年の理事会では、設備に詳しい理事が調査したところ、補修でまだ数年保つと判断し、補修を実施、予算は翌々年にそのまま繰り越す処理をした。なお、各年度集会で承認済み。
    (2)同じ防水工事で、当該年度で劣化診断した結果、まだ保ちそうだが性能保証も切れているので、不具合が生じる前に予防的な措置を施すために、翌年度に工事を実施する事業計画を立て、業者見積額(1社)を次期工事予算として計上し、具体的な執行について翌年理事会に任せることとした。翌年の理事会では、設備に詳しい理事が調査したところ、補修でまだ数年保つと判断し、補修を実施、予算は翌々年にそのまま繰り越す処理をした。なお、各年度集会で承認済み。
  2. (1)については、劣化診断をせずに、長期修繕計画メニューに載っているからという理由だけで次期工事予算として計上(つまり修繕積立金の取崩)したのは、問題があります。また、工事予算の取り崩しは集会で承認されているにもかかわらず、未実施のままの予算が毎年繰り越されていますが、公平な施工業者選定基準が規定されていないと、前述「無関心・無責任の末の修繕工事は代償が高くつく」で指摘したように、不正を誘発する温床になりますので、早急に対応策を考えるべきです。
  3. (2)については、業者選定の基準が1社で曖昧となっており、問題です。また具体的な執行について翌年理事会に任せるのではなくて、集会で承認されたならば、翌年の理事会はその工事を執行しなければならないところを執行しなかった点が問題です。さらに、未実施の予算の繰り越しは、(1)と同様不正を誘発する温床になますので、やはり早急に対応策を考えるべきです。

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参考文献:
・マンションの大規模修繕(日本総合住生活編) ・公庫マンション維持管理ガイドブック
・マンション管理法入門(山畑哲世著) ・マンション管理センター通信

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